親子ローンってなに?

A.親子同居で一緒に住宅ローンを返済したい場合などに利用される住宅ローンです。

親子ローンには「親子ペアローン」と「親子リレーローン」の2種類があります。どのような違いがあるか見ていきましょう。

親子ペアローン

住宅を親子の共有名義にしてローンの金額をそれぞれの名義で申し込む(連帯保証)ことで、『ペアローン』といいます。

ペアローンを組むケースして、2世帯で住宅を購入される場合や、親が年を重ねていると、借り入れられる年数、すなわち借り入れ可能金額が低くなってくることがある為、親と子供の収入を合算してより大きな住宅ローンを契約することができる場合などがあります。

住宅ローンを借りる際に、いくらまで借りられるか、支払いは毎月、ボーナス時においていくら支払うのが適正なのかが気になる大きなポイントです。住宅ローンの借りられる金額は、金融機関により基準は異なりますが、基本は年収と返済負担率により判断されます。

フラット35の場合は、平成19年10月1日以降の申し込み分から、
年収400万未満の方は返済負担率が30%
年収400万以上の方は返済負担率が35%
となります。

【例】借入時の年齢30歳  
年収650万
金利1.78%  
支払い期間 35年
借り入れ可能金額(概算) 5,922万円

【例】借入時の条件
年収350万
金利1.78%  
支払い期間 35年
借り入れ可能金額(概算) 2,733万円

ペアローンのメリット

①それぞれの収入に応じて住宅ローンが借りられる金額が合算される為、より多くの住宅ローンを借りることができます。

⓶親子双方で住宅ローン控除を受けられる可能性がある為、より多くの住宅ローン控除を受けられる可能性があります。

ペアローンのデメリット(リスク)

⓵親子双方の年収ベースに住宅ローンを借り入れしている為、住宅ローン借入金額が大きくなるため、将来万が一何らかの理由で、どちらかが働けなくなった場合や、子供の仕事の都合で転勤等になった場合など、家計への負担が大きくなります。

⓶住宅ローン控除は一定の収入に応じて受けられる物であるため、将来万が一何らかの理由で、夫婦どちらかが働けなくなった場合に、収入がなくなった方の控除がうけられなくなります。

⓷特に未婚のお子さんと一緒にペアローンを組む場合は、将来お子さんが結婚などで生活が変わる場合、どのような生活状況になるかは予見しずらいことが多いので、慎重に検討する必要があります。
 

ペアローンの注意事項

⓵親子の収入がそれほど多くない場合や、住宅ローン残高がそれほど多くない場合は、二人で契約しても住宅ローン控除が多くなるとは限りません。

⓶住宅ローンを別々に組むと、住宅ローン契約に伴う諸費用などもそれぞれにかかってしまいますので、注意が必要です。

親子リレーローン

親子リレーローンとは、親が一定の年齢になったとき(通常80歳)に、その後、住宅ローンを子供、孫等(申し込み本人の直属卑属)が引き継ぐ住宅ローンになります。親子ペアローンは親、子供それぞれが住宅ローンを契約をし、支払をしていくのに対して、親子リレーローンは、当初は親が住宅ローンを支払い、その後子供が残りの住宅ローンを支払っていく方法になります。
同居を前提とされたローンであるので、将来設計が重要になります。

親子リレーローンは取り扱い金融機関が限られており、住宅金融支援機構のフラット35があります。

フラット35の借り入れ条件のひとつとして、返済年齢が80歳となりますので、申し込みをされる方の年齢によって、住宅ローンの借入可能期間が最大の35年より短くなるケースがあります。
そこで、親子リレーローンを利用することにより、住宅ローンの借り入れ期間を長くすることができます。

【例】申込時に、申込みご本人が62歳4か月、後継者が32歳1か月の場合
・親子リレー返済を利用しない場合の借入期間:80歳-63歳=17年
→最長17年の借り入れ期間となります
・親子リレー返済を利用する場合の借入期間:80歳-33歳=47年 
→35年(最長の借り入れが可能になります)

親子リレーローンのメリット

⓵それぞれの収入に応じて住宅ローンが借りられる金額が合算される為、より多くの住宅ローンを借りることができます。

⓶借り入れ可能期間が長く設定できます。

⓷申込者が高齢でも住宅ローンを契約することができます。

親子リレーローンのデメリット(リスク)

⓵住宅ローンを借り入れしている間は、リレーローンの対象者の子供は新規の住宅ローンを借りることが難しくなります。

⓶相続について、事前に家族で話し合いが必要になります。借り入れする際に土地や建物の名義を誰にどの割合で設定するかによって、実際子供が多く支払っているのに持ち分は親と子で=50対50にしている場合、親の持ち分に対しての相続税の課税対象になりますので、支払割合と持ち分の割合を合わせておく必要があります。また、親の持ち分に対しての相続対象者が複数人いた場合に、相続はどのようにするかを事前に話し合っておいたほうがよいでしょう。